院長コラム
大学
院長コラム 3月25日
上の娘の学年が高3で、やっと同級生たちの進路が決まったようだ。
志望の大学に入った子、滑り止めに入った子、もう一年頑張る子、それぞれだけれども、確かに大学受験というのは一つの運命の分かれ道なのだと実感した。
と、いうのは何も有名大学に入ったから成功、落ちたから失敗という単純なものではない。
大学を選ぶ際に自分のやりたいことを見据えて決めたか、大学のレベルや名前で決めたかの差だ。
娘の友人の一人は、自分のやりたいことはあの大学でしかできないからと一本に絞って浪人を決めた。
確かにその子は受験には失敗したかもしれないが、人生の勝者になる子だと思った。
考えてもみて欲しい。
自分が人を雇う側だとして、いつまでも学歴をちらつかせてそれにしがみつくやつを雇う気がするだろうか?
その仕事にはじめから興味があって、目を輝かせてその仕事がしたいんです!と言われたら、私なら即採用する。
人生を自分で決めて生きているかどうかの大きな分岐点なのだ。
人生は受験で終わりじゃない。
まだスタートラインにも立っていない。
偏差値で物を語る塾や先生に騙されるな!
君たちの人生は君たちの物だ、他人の価値観で物を語るな!
ちなみに医学部に入った方、入ろうとする方にお伝えしたいことがある。
医学部は専門学校だ。
厳しい受験戦争に勝ってゴールでは全然ない!
何ならこれからのほうが勉強しなければいけない。
他の学部の学生たちとは全然違う、過密スケジュールが待っているはずだ。
でも、やりがいも人一倍だ。
その覚悟を持って望んで欲しい。
そうでなければ人の命なんか預かれないからだ。
不思議なこと
院長コラム 3月11日
未だにインフルエンザBが流行している。
ピークは過ぎたが、根強くいるという感じ。
でも、ピーク過ぎた途端またコロナも頑張ってきた感じだ。
今シーズンもインフルエンザBにはほとほと困らせられた。
Aに比べて圧倒的に検出しづらいからだ。
発熱して少しでも早く薬を使いたい方と、検査キットで検出するのに時間を稼ぎたい医療側の攻防が連日行われてきた。
ところが、ところがである。
実に不思議なことに、40℃三日目になってうっすら拾えるくらいの人もいれば、発熱後数時間でくっきり拾える人もいる。
同じ様に取っているのに。
なぜだろう?
これはやはり個人によって、鼻汁中にでているウイルス量がかなり違うとしか思えない。
検査キットの問題ではないのだと思う。
現に、感染後コロナウイルスが唾液や鼻汁にでてくるまでには数時間かかるというデータが出ていた。
インフルエンザも時間はかかるのだと思うが、その出方にはかなりの個人差があっても不思議はない。
だから、すぐ検査でも出る人もいれば、なかなか陽性がでない人もいるのだ。
ただ、これは宝くじのようで、当たるとは限らない。
検査ご希望の中大変申し訳無いが、意地悪で言っているのではなく、どうか正確な検査にご協力いただきたいと思う今日このごろである。
問題解決能力
院長コラム 3月4日
セクハラパワハラ発言でとある町の町長さんが辞任された。
あの報道が凄く違和感のあるものであると感じた方はどのくらいいるだろうか?
年代のせいなのか?
正直、こんなことがセクハラやパワハラになるなら何も言えないと思ってしまう。
更には、それを訴える人たちが、本人に何も言わないまま訴えている…。
ハラスメントは受ける側本位のものであるのは重々承知の上だが、自分でその問題を何故解決しようとしていないのだろうか?
少しでも、嫌ですとか、やめてくださいとか、直接言えなくても上司から言ってもらうとかなかったのだろうか?
こんな事を言うと被害者に酷いと言われるだろうが、自分で何も言わないのに訴えるのはいじめに近い悪質さを感じることを禁じ得ない。
話し合いで問題解決をせずに、力で抑え込む方法、それこそが戦争の元凶ではないのか?
本人たちの問題解決能力はそんなものなのだろうか?
親に怒られず、友達と喧嘩をしないで育った子達は今後どうやって問題を解決して行けるのだろうか?
とても心配だ。
人の言うこと
院長コラム 2月26日
「不適切にもほどがある」というドラマをやっている。
バリバリの昭和の私と、平成中盤生まれの娘たちと一緒に見させてもらっている。
時折、近藤真彦さんの歌など娘たちにわからないことに解説をつけながら、きっと私とは受け取り方が違うであろう平成生まれと同じドラマを、見て語ることがとても面白い。
きっかけは第一話だった。
わかり合えない人同士をどうしたものか、というテーマで、何をしてもハラスメントと言われる中で話し合いが大事だと主張するものである。
阿部サダヲさんが拳と拳で話し合うと言う主張をするが、果たして平成生まれにあの感覚は伝わったであろうか?
スポーツをやっている子なら多少はわかるかもしれない。
全力で戦った相手と試合後お互いを称える、日向と研磨のような関係。
そこには喧嘩をしていても相手を尊重する気持ちがある。
これなくしては、喧嘩イコール殺し合いになってしまう。
はて、私達はこの相手を尊重しながら喧嘩や争いをすることができるだろうか?
気に入らないから、意見が違うからといじめや戦争、そこまでいかなくても付き合いをやめるということをしていないだろうか?
本当はこういう合わない人こそが、自分の寛容さを高めるうえで必要な人なのに。
生きていれば意見の相違は必ずある。
意見が合わなかったときに、逃げたり排除したりでなく、ちゃんと話し合い、理解できる子に娘たちにはなって欲しいと思う。
でも反面、ちゃんと話し合いもせずに戦争だの武力の見せつけ合いだのしている大人を見て育つ子達に不安を覚える。
喧嘩の終わらせ方、戦争の終わらせ方をちゃんと大人として次世代につたえられるだろうか。
コロナかもしれない
院長コラム 2月13日
実は、英語の勉強も兼ねて海外のドラマをよく見ています。
シリーズ物では必ずコロナ禍のシーンがあり、時々急に登場人物が休暇に入ったりしているので、きっと感染して療養なのだと思えます。
思えばあの頃のコロナは本当にきつかった。
ところがです。
今のコロナと言ったらまるで違う。
大体発熱しても2日もあれば治まるし、そもそも自分の症状がコロナとは思わず、普通に生活している人のなんと多いことか!
まあ、喉がちょっと痛いくらいでは疑わないんでしょうけど。
お陰で、それ以外のウイルス、インフルエンザやアデノやRSに、舐められまくりで、インフルエンザBなんてこの世の春と言わんばかりの羽の伸ばし様です。
ウイルス業界では既にコロナは5類扱いもされていないようですね。はー。
でも、まだ5類。
馬鹿馬鹿しいとは思いながらも、学校や保育園のような集団生活ではやはり感染対策が重んじられます。
軽い風邪?いや、いや、コロナかもしれない。
お子さんにうつす前にちょっと疑ってみて下さい。
薬不足
院長コラム 2月5日
薬が不足している。
解熱剤やら咳止め薬が色々とないらしい。
いざ無くなって初めて潤沢に薬のある有り難さを知る。
本来はそれでは駄目なんだとは思うが…。
薬局さんも多大な努力をしてくださり、それでも全く無いということの無いようにしてくれている。
有り難い限りだ。
検査キットも、卸さんがかき集めてくれている。
本当に医療は医師一人ではどうにもならないと思い知らされる。
皆で子ども達の健康を守る。
その意識こそがチームなのだ。
思考の単純化
院長コラム 1月30日
はー、感染症おさまりませんね。
恐らくあちこちで受診予約が取りにくくなっているようで、当院も何年かぶりにお会いする方がたくさんお越しになっています。
本当はお互いにかかりつけさんがいいんでしょうけど。
さて、先日テレビで元受刑者の作家の方かな?おっしゃっていたことが、とてもまともなお話で、久々にまともな話をテレビで聞けたと思いました。
敵を攻める前に相手を知ること、理解することが必要だというものでした。
ウクライナにとってロシアは悪魔だが、ロシアにとってもウクライナは悪魔だという話です。
ああ、そうかも知れない。
でも、それってほんとは悪魔なんかいないかも知れない。
誰かがあいつは悪いやつだと言って、ろくに知りもしないのにそれに同調して、そんな愚かなことを私達は何回やってしまったのだろう?
判断は全ての材料を揃えてしなければ間違えることがある。
誰かを責めたあと、間違えてたら私達は容易にそのことを忘れて、なかったことにしがちだけれど、責められた方はきっとずっと覚えている。
物を考える時に、白か黒かで考えるほうがずっと楽で、だからこそ、医師国家試験ではグレーな部分を引っ掛け問題でつかれる。
必ずしもそうではないという思考を持たない人は不正解となる。
中途半端な思考は落ち着かず苦しい。
でも、それこそが人としての寛容さになり、優しさになる。
思考が単純化された人は同時に寛容さを失ってしまうのではないだろうか?
厄介な感染症達
院長コラム 1月22日
1月初旬、冬休みの影響もあってちょっと感染症も落ち着き一息つかさせていただきました。
でも、先週くらいからでしょうか、学校などの集団生活は感染症の温床なのだと実感するくらい、またあらゆる感染症が流行り始めました。
ご予約取れなかった方々にはホント申し訳ありません。
日によってはご予約なくてもそんなにお待たせせず拝見できる日もあるので、諦めずにお電話下さい。
さて、私としてもこんなふうに検査でわかる感染症ばかり流行るのはちょっとうれしくないです。
子供たちに痛い検査をし、なんか名前がつくと安心してしまう心理はどうしてもあるのですが、医療ってそういうもんじゃないでしょう?
わざわざ一人一人を診察する意味は、一人一人に対して適切な医療をするためで、なんか、検査中心になると、大量生産的な機械的な作業になりがちなんですよね。
でも、医師の裁量ってそこじゃなくて、見て、聞いて、感じて、ああ、この子大丈夫だとか、この子次にこうなりそうだから要注意だなとか、二日くらい先の状態を予想して処方する。
そこだと思うんです。
ま、感染症はそれがやりやすいんですけどね。
あまりそればかり多いと、鈍る気がして怖いんですよね。
とはいえ、今日も感染症以外の方もみえるでしょう。
見逃さずちゃんと頑張ります。
皆さんも頑張って!
久々に
院長コラム 1月15日
久々にちょっと医者らしいことを書こうかと思います。
と、言うのはコロナ禍で皆さんお忘れになってしまっていることを思い出してほしいから。
インフルエンザ、胃腸炎、まだまだ流行ってます。
この二つの疾患で、受診される前にやってほしいことがあります。
まずインフルエンザ。
集団生活のある方は、治癒証明が必要になるので、かかったかどうかはできれば白黒つけていただきたいです。
でも、インフルエンザの検査は抗原検査しかなく、熱が出てから時間を稼がないと検査しても陰性に出てしまいます。
市販のキットでされる方もいらっしゃいますが、手法の問題か、キットの問題かわかりませんが、クリニックで検査し直すと陰性が陽性に転じていることもままあります。
当院ではできれば発熱(38度を超えてから)後6時間は待ってから検査させていただきたいと思います。
37度台でずっと続いてしまう方もいらっしゃいます。
その場合は一日経ってからなら大丈夫です。
折角お越しいただいて検査できないのは申し訳ないので、目安としてお考えいただければと思います。
次に胃腸炎。
嘔吐が始まった時、まずはじめにしていただきたいのは「お腹を休ませること」です。
嘔吐は消化できない状態になった胃腸が物を入れてほしくないために出させている状態です。
脱水もご心配でしょうが、まずお腹に何も入れないで休ませて下さい。
最低で2、3時間、夜中なら一晩飲まず食わずにしておいていただくと、7割方の方は嘔吐がなくなります。
実は日常診療で吐き続けている子の多くが、水分をとっては吐いてを繰り返して嘔吐が止まらなくなっています。
喉が乾くので、子供は欲しがりますが、初めのうちだけ頑張ってあげないでいただくことが大事です。
でも、水分を取らなくても吐き続ける状態はちょっと悪い状態です。
数時間待って改善しなければ受診して下さい。
ARROWS
院長コラム 1月9日
今日から新学期の方たち、元気に行ってらっしゃい!
さて、ARROWSという医師集団をご存知でしょうか?
恥ずかしながら、私もコロナの流行時に初めて彼らを知ったばかりなのでまだ数年しか彼らの活動を見ていないのですが、災害時にいち早く現地で活動する医師集団です。
今回1週間ぶりに救助された90代の女性の映像は彼らの提供画像になっており、よく見ると分かります。
コロナの初期にマスクもなくワクチンもなく、正直現場が一番困っていた時期。
あの頃に彼らがいち早くマスクを提供してくれました。
その後東京都からもマスク等届きましたが、あの一番困っていた時期に動いてくれたのは本当に有り難いと思いました。
また、救急医療をかじった医師としては、何もかもなげうってああいう第一線でやれるのは羨ましくも思ったりします。
何はともあれ、少しでも彼らに恩返しができればと思い、どんぐりキッズとしての寄付は彼らにさせてもらうことにしました。
皆さんも少しだけ彼らの存在を知ってみてください。
遅ればせながら明けましておめでとうございます
院長コラム 1月5日
と、今年は言ってしまっていいものかどうか、迷います。
ご存知のように、元旦からの災害。事故。
今も苦しんでいる人たちが多くいらっしゃる。
それを救おうと頑張っている同業者がいる。
でも、こういう仕事をしていると、常に苦しんでいる人達がいることを思い知ります。
31日実家で当番医だった兄はヘロヘロになって帰っていきました。
今日も沢山のご予約を頂いています。
災害は国にとって大きな災ですが、子供の体調不良は家庭にとってそれも大きな災です。
今日これから会う患者さん達が皆年末年始のお休みを頂いている間に苦しまれていなかったことを祈りながら、少しでもお役に立てるよう今日も頑張ります!
被災地に私は行くことができないし、誰も救えないけど、いつもより少しだけ頑張ってその分を寄付できたらいいなと思っています。